2022年のメジャーリーグ開幕を控えたアトランタ・ブレーブスファンの諸々
2022年のメジャーリーグ(MLB)は、ロックアウトという形でスタートした。
簡単に説明すると、選手と球団が一切の関わりを持てない状況だ。
つまり、補強に向けてのトレード交渉や、FAとなった選手の獲得に動けない状態である。
2021年、ロックアウト開始直前に、コーリー・シーガー&マーカス・セミエンがテキサス・レンジャーズと契約したり、マックス・シャーザーがニューヨーク・メッツと契約するなど、駆け込み契約が続出した。
その駆け込み契約をした選手の中に、アトランタ・ブレーブスファンが望む文字列、「フレディー・フリーマン」はなかった。
遅遅として進まない選手会とオーナー側の労使協定締結交渉にイライラが募り、夏休みの宿題を最終日までやらない小学生同様、結局MLBのスプリング・トレーニングの開始が遅れるデッドラインまで交渉はまとまらず、アトランタファンのみならず全MLBファンが死ぬほどイライラしていたであろう、ロックアウト期間。
それがようやく開け、「アトランタ・ブレーブスとフレディー・フリーマンが契約を結んだ」というニュースを今か今かと待ちわびていたある日。
『アトランタ・ブレーブスが、オークランド・アスレティックスとトレードを成立させた』という文字を目にした。
常々、フレディー・フリーマンと契約できなかった際のプランBとして話が出ていた、オークランドの一塁手、アトランタ出身のマット・オルソンのトレードによる獲得。
そのニュースだった。
放出された選手4人は、いずれも将来を嘱望されている、いわゆるプロスペクト達。つまり、アトランタ・ブレーブスの未来だ。が、そこは問題ではない。
個人的にはこのトレード単体で見ればオルソン1人の方が彼ら4人よりもバリューのあるトレードであり、素晴らしいトレードであると感じている。
ただ、一塁手を獲得するということは。
プランBを遂行したということは。
フレディー・フリーマンと、アトランタ・ブレーブスの別れを意味した。
正直、フレディーとの交渉がどの程度去年、一昨年から行われていたかはわからない。
間に代理人が入る以上、彼が伝言しなければ、コミュニケーションが一切なかった、チームからの誠意がなかったと誤解が生じる場合もある。
チッパー・ジョーンズが語った通り、フレディー側が危険なゲームを仕掛けたのかもしれない。
GMのアレックス・アンソポロスが本当に大した交渉もしていないのかもしれない。
真実は、ファンの知りえるところではない。
ただ、フレディー・フリーマンと、アトランタ・ブレーブスの未来が、別々の道に分かれた、ということだけは、現実だった。
そこからのGMの動きは、実にスムーズだった。
今年28歳になるオルソンと、8年1億6800万ドルの契約。
年俸はフレディーが最終的にドジャースと結んだ6年1億6200万ドルと比べて、年平均700万ドルも安価だ。(ブレーブスのオファーと比べると年平均800万ドル安価となるし、今年だけ見ればオルソンの年俸は1500万ドルなので、さらにお金を浮かせたといえるが、ドジャースとフレディーの契約も後払いがある契約なので、面倒な計算はせず、年平均700万ドル浮いたものとする)
エディー・ロサリオを2年1800万ドルで引き留め、コリン・マクヒューを単年600万ドル、ケンリー・ジャンセンを単年1600万ドルで補強してブルペンを盤石化。
この700万ドルがなければ、マクヒューが獲得できていない。
もしくは、ジャンセンが単年900万ドルのリリーフになり、来年もウィル・スミス劇場が9回に待っている。
あるいは、昨年暴れまわってくれたエディー・ロサリオを引き留められなかったかもしれない。
クレバーだ。実にクレバーだ。
数字だけ見れば、明確に素晴らしい動きだ。
ロックアウト前に契約した2人、ピーニャとイェーツにより捕手の層も厚くなり、ブルペン陣の負担も昨シーズンのごとく一極集中することはないだろう。
今年からポストシーズン進出可能枠が10球団→12球団に拡大され、地区優勝しても勝率が最も悪ければ、つまり、昨年の88勝での地区優勝では、ワイルドカード組と3試合しなければならない。今年のルールが昨年に適用されていれば、ワールドシリーズ制覇はまず間違いなく不可能だっただろう。
「連覇」という目標を、100%本気で成し遂げようと、必要戦力は残留させ、弱いポイントを確実に補強している。
(正直先発ローテが不安ではあるのだが)
しかし、心にまだモヤがのこったままだ。
僕がアトランタファンになった2013年以来、アトランタ・ブレーブス所属であったのはフレディー・フリーマンだけだった。
彼を失ったという事実を、いまだに理解できていないところがある。
正直、他球団ファンからの、フランチャイズプレイヤーを手放したことへの煽りには辟易している。
ついでに、フレディー・フリーマンの移籍先が僕がMLBで最も嫌いな球団だったことに対するイライラ感が半端ない。
このモヤや負の感情を振り払えるのは、オルソンの活躍、そしてチームの躍進だけであることは間違いない。
結局、私が何が言いたいかと言うと。
「死ぬほど開幕が楽しみ」ということだ。
連覇すっぞボケ!!!!!!!!!!!